No.1 尿膜管がんという病気







 今回、私士(つかさ)がなった尿膜管癌という病気に関して、 私なりに集めた情報を簡単にご紹介します。ネット経由の情報収集はまろりんが詳しいので、まろりんから 報告もあると思いますのでそちらをご期待ください。

 この尿膜管癌という病気は症例が本当に少なく、 日本でも年間20〜30例しかないそうで、私士(つかさ)が手術した病院でも 結構東京でも大きい大学病院ですが、年に1、2例しかないと執刀医S氏に言われました。当然私士(つかさ)も、 この病気になるまでは尿膜管癌はおろか、尿膜管の存在すら知りませんでした。

 尿膜管癌の初期症状としてはまず血尿が上げられますが、 その他はへそから血や膿みが出るなどの症状もあるそうです。

 私士(つかさ)はへそから血や膿みが出るような症状はありませんでしたが、執刀医S氏から 真っ先に尿膜管癌を疑われたのか、「へそから血や膿みが出ませんでした?」と聞かれました。 私士(つかさ)の場合は尿膜管でも膀胱に近い辺りに腫瘍ができていたそうで、へそからよりも、 血尿という症状のみが出ました。

 この血尿というのが曲者で痛みがまったくありません。PASSAGE/療養経過にも書きましたが、 始めは、本当に小さいかさぶたが剥がれ落ちたような感じの固形化した血の塊がほんの少し出ました。
 その半年後にいわゆる強血尿が出るのですが、このときも痛みはまったくありません。 このような場合、通常は性病などを疑うのでしょうが、私士(つかさ)は風俗には縁遠く、 この時期新たな女性との交際もなかったので、性病の疑いは持ちませんでしたが、だったらなんだ、 この血尿はという感じでした。

 この血尿は多分どこかに蛇口が開いていて出ているのでしょうが、体の中なので本人だけでなく、 最初にかかった街医者でも、エコーで調べてもらったのですが原因はわかりませんでした。
 この血尿の特徴としては、2,3日サイクルで止まったり出たりするところです。炎症止めの 薬を飲むと結構良く効きますし、炎症止めを飲まなくても血尿は3日で止まります。ほっといても なおる血尿で痛みもない、私士(つかさ)も判断を迷いましたが、血尿のレベルが2、3日サイクル ではありましたが、濃さがひどくなっていったこともあり病院へ行きました。
 その後は経過のとおりですが、一般的にいわれていることですが、病気を自分で判断せずに、 血尿が出たらすぐにお医者さんにかかることを、強くおすすめします。

 1回目の手術は結構らくに乗り切れたのですが、2回目は思っていたよりも大変でした。
 2回目の手術後しばらくは、中(膀胱)と外(開腹時の傷とドレインの跡)から痛みがあり、尿量も70ccくらいしか 貯められず、電車に乗るのも困難な状況でした。その後は痛みもずいぶん取れ、日常生活もこなせるまで 快復しております。今のところ2ヵ月ごとの癌検診で癌転移は出ていませんが、もちろん安心できる状況ではありません。

 あえて詳しくは申しませんが、この尿膜管癌は予後(よご[ 病気・手術などの経過または終末]) の悪い癌で、ネット上でも後ろ向きなコメントがたくさん載せられており、私士(つかさ)も手術の是非やセカンドオピニオンなどの 判断にずいぶん迷いました。

 今回このサイトを開設するにあたって私士(つかさ)は、同じ尿膜管癌で苦しんでいる 患者、家族の方々に、士(つかさ)の経験を知っていただくことで、少しでもお役にたてるのであればと思い開設いたしました。

 今後この場で当サイトを更新し続けることで、この尿膜管癌で苦しむ患者の皆様が 、少しでも元気になったり、勇気づけられたりするのであれば、私士(つかさ)もこの上ない幸せです。

 尿膜管癌は症例も少ない病気ですし、日本では満足な統計もなく、 膀胱癌といっしょにカウントされているのが現状です。患者自身の独断のみで判断するのは当然NGですが、 情報の共有は必要だと私士(つかさ)は思います。
 いままで健康というものを当たり前のものとして享受してきた 私としては、今回、尿膜管癌という病気になったことで私の日常生活を改めさせただけでなく、 自身の人生観や考え方、存在意義や宗教観にいたるまで大いに考えさせられました。

 日常生活で困ることといえば、タバコがすえなくなったことやトイレが近くなること、傷口がたまに傷むことのほかに、たま に体温調節できなくなり、汗を大量にかくなど、この程度とい ってはそれまでですが、手術前と後では肉体的な変化は日常 生活に少なからず影響を及ぼしています。

 また精神面としてはまず、他人への接することが臆病になりま した。仕事がら人と接するのが仕事ではあるのですが、以前の ような語りのキレがなくなったような気がしています。

 元からあまり心配性ではありませんでしたので大きな影響は ありませんが、トイレに行くときはいつも血尿が出ないか心配 になります。手術前に血尿が出たときも、痛みはまったくなか ったので、痛みがなくてもおしっこが出る瞬間にはドキっと します。

 また、2月に1回行なわれる癌検診に関しては、『審判の日』 とあえて呼んでいます。次の2ヶ月自由に生きられるかを告げ られる日ですのでそのように呼んでいます。無事2回目の審判 の日を転移なしで乗り切れたことは、本当に幸運に他ならない と実感しております。


 そんな中、数少ないですが病気をして良い方向に向かって いることもいくつかあります。

 まず、他人に対しては以前に比べ、ずいぶん気を使って接する ようになりました。今までにはなかったことですが、自分が病気 になったことで、周りの方々にも気を使ってもらい、自分も気を 使うことに気が付いたという、なんともお粗末な話です。

 また、次の『審判の日』まで2ヶ月間を有意義に過ごそうと優先 すべきことを常に考えて行動するようになりました。2ヶ月間しか 活動できないかもしれないことを常に念頭において行動すること で、効率的な行動を取るようになれたと思います。これはapple社 社長のスティーブ・ジョブズも言っていましたが、その日一日で 取った行動が、人生最期の日として納得できるか、納得できない 日々が続けばその仕事はやめたほうがいいと言っていたことを思い だし、今は納得した日々を過ごせていると自身で実感しています。

 癌に克つ士(つかさ)のHPでは、そんな患者同士、患者の家族同士の情報共有の場として、ご活用いただけるよう、 これからもサイトの充実を図っていきたいと思います。 
 全国の癌患者の皆様、どうかあきらめないでください。常に目標を持って、前向きに生きてください。

 私も明日に向けてがんばって生きてゆきます。
 
 何事にもいい面、悪い面があるものだということを、自身納得 して今を受け入れ、これからの人生を過ごしていこうと思います。


それでは



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